赤ちゃんの便秘Q&A

母乳に便秘になりやすい成分が含まれていたり、母乳そのものが便秘の原因になることはありません。もともと母乳には天然のビフィズス菌や乳酸菌が含まれているため、便秘にはなりにくいと考えられます。母乳で育つ赤ちゃんが便秘になるとしたら考えられる理由は何でしょうか?。

 

一つは母乳は大変消化されやすくカスが少ないためうんちそのものができにくいことです。うんちの量が少ないと腸の中に留まり、次第に水分を吸収されて固くなる傾向があります。

 

次に、ミルクで育つ赤ちゃんは、常に赤ちゃんが飲んでいるミルクの量をお母さんが知っていますが、母乳は知らず知らずのうちに量が減ってきていることがあり、赤ちゃんがお腹いっぱいに飲めなかったり、飲めなかった結果、水分が少なくなってしまっていたりします。

 

便秘かな、と思ったら、授乳前後の体重を計ったり、まめに体重のチェックをして母乳の量が足りているかを確認するようにしてください。もし、足りていないようだったらミルクを足したり、授乳回数を増やしてください。また、水分補給も意識して行うようにしましょう。

 

お母さんの食生活も母乳に影響を与えます。アレルギーのある赤ちゃんのお母さんは、授乳期間中、アレルゲンの食物をとりません。たんぱく質や糖分、油分の多い偏った食生活を送ると、母乳もどろどろになりがちです。できるだけ野菜を多くとって、お母さん自身も水分を多く摂取して、さらさらの母乳を赤ちゃんに飲ませてあげたいものです。

うんちの色は便秘とは関係ありません。赤ちゃんのうんちの色はなかなか個性的です。黄色、緑色、茶色と、それらの中間色を考えるとまさに十人十色といえます。離乳食の始まっていない赤ちゃんの場合、黄色から緑色の便がよく見られ、果汁やスープなどの摂取が始まると茶色に近くなります。あまりにも鮮やかな緑色に、初めて赤ちゃんを産んだお母さんは戸惑うこともしばしばです。

 

このころ、便の中に白い粒がたくさん混じっていることがよくあります。これは母乳やミルクの中の消化されなかった脂肪などの固まりですから心配ありません。時間が過ぎるにつれ、水っぽかった便も固くなってきます。

 

離乳食が始まると、赤ちゃんのうんちも次第に色もにおいも大人と同じような状態になっていきます。食べたものがそのままうんちの中に混じって出てくることがあります。トマトやにんじんに血便ではないかとぎょっとさせられたり、海苔やナスを食べたあとにうんちが黒くてうろたえることもありますが、冷静になって考えたり良く見たりすれば原因がわかります。

 

もちろん何の心配もありません。何より赤ちゃんの機嫌がよければ、それが一番のバロメーターでしょう。食事の量が増えてくるにつれ、水分の不足が起こりやすいので気をつけましょう。その場合でも固くはなりますが、便の色には変化ありません。

 

一つだけ、便秘に関係があるうんちの色があります。固いうんちに血がついている場合です。うんちを出すときに肛門を切ってしまったのかもしれません。赤ちゃんは痛さでますますうんちを出したくなくなってしまうので、お医者さんにいって処置をしてもらいましょう。

うんちの固さは便秘に大いに関係があります。赤ちゃんの体では、食べ物を摂取して消化し、水分、栄養分を吸収してカスをうんちとして外へ排出するという、一連のつながりがスムースに運ばないことがよくあります。腸の中のうんちを押し出す力も弱いので、うんちは柔らかくないとうまく流れていきません。

 

ところが、うんちは腸の中に留まる時間が長いほどに、どんどん水分を吸収されて固くなってしまいます。固くなった便が腸の中にあると、後から流れてきた柔らかい便もそこでせき止められて、また水分を取られてしまう悪循環が生じます。うんちが固くなることこそが、便秘の主たる原因なのです。

 

固くなってしまうと肛門が切れてしまいます。するといきんだだけでも痛みが走りますし、排便の際にしみて赤ちゃんは痛がります。赤ちゃんがうんちを出すことを嫌がるようになると、気持ちの上での緊張が余計に便秘を悪化させてしまいます。うんちが小さくなって固くなってきたら、早めに便秘解消の措置を取りましょう。

 

水分を多く取ること、薄い砂糖水、オレンジやプルーンジュースを飲ませてあげるとうんちが柔らかくなります。離乳食が始まっていたら、整腸作用がある食べ物や食物繊維を多く含むものも、どんどん取り入れていきましょう。できるだけ薄着にして赤ちゃんの運動を妨げないことも、腸への刺激につながります。

 

浣腸で即効的に便秘を解消することもできますが、赤ちゃんには刺激が強く短時間ではありますが、強い痛みも伴います。できるだけ穏やかに排便を促してあげたいものです。おかさんは、うんちの固さにはいつも注意してください。

マルツエキスとは麦芽糖を多く含んだ赤ちゃんの便秘薬です。麦芽糖が腸の中でゆっくりと発酵することで、穏やかな排便が促されます。急激な刺激で赤ちゃんのお腹が痛くなってしまうようなこともなく、排便も自然に近い形です。

 

便秘薬ではありますが、食品に近いもので副作用がありません。安全性が高いので、お母さんも赤ちゃんに安心して与えることができます。さらに、便秘薬でありながら糖分、カリウム分を多く含み栄養補給を行います。便秘とともに発育不良時にも用いられます。形状は水あめ状態で、ミルクや白湯に溶かしたり、母乳の赤ちゃんにはおっぱいの前に赤ちゃんのほほの内側に塗りつけてなめさせたりします。甘いので赤ちゃんが嫌がることもありません。

 

マルツエキスは安全性の高い薬ではありますが、やはり自律排便が赤ちゃんにとって、最も望ましいことはいうまでもありません。マルツエキスに頼る前に、マッサージや、オレンジ・プルーンジュースあるいは便秘を解消できるような食材の離乳食を試してください。

 

また、便秘解消に向く食材の中でも、赤ちゃんによって相性があるように、マルツエキスですべての赤ちゃんの便秘が解消されるわけではありません。一時的に使用しても、その後順調に排便が進んだ場合、大量の開封したマルツエキスが残ってしまうケースはよく耳にします。はじめは小分けになったスティック状のものを使うことをお勧めします。

 

また、お医者さんへ行かないまま長く用いることはやめましょう。便秘だと思いこんで、違う病気を見逃してしまうことも稀にあるからです。便秘症状が続くようなら、必ず受診してください。

砂糖水は昔から赤ちゃんの便秘に用いられてきました。なぜ便秘に砂糖水なのでしょうか?まず、水分が少なくなってしまうとうんちが固くなってしまいます。そして、果汁もそうですが、砂糖に含まれる糖分は、腸の中の悪玉菌を攻撃して不活性化したり減らしたり、善玉菌の力をつけて活性化したり増やしたりします。その結果、腸内の環境が良くなって蠕動運動が促され便秘が解消されるのです。

 

砂糖水には水分、糖分の両方が含まれています。さらには、砂糖と水は昔からどの家庭にもあった食べ物なので手軽に利用されてきたのでしょう。砂糖が天然のものであることも安心感につながっていると思われます。砂糖にもいろいろな種類があります。砂糖はサトウキビの絞り汁を精製したものですが、精製の程度によって、上白糖、中白糖、三温糖、黒砂糖といろいろです。風味も甘さも違います。

 

一般家庭では精製の程度の高い上白糖を使っている割合が圧倒的になのですが、精製の程度が低いほうが栄養分やミネラル含有量が高いことがわかっています。さまざまなメーカーからいろいろな砂糖が販売されていますから、調べてみるのも楽しいかも知れません。

 

赤ちゃんが気に入れば、便秘の対策をしながら栄養もつけられることになります。赤ちゃんはほんのちょっとしか使いませんから、赤ちゃんがお昼寝したら、お母さんはコーヒーや紅茶に入れてこくのある甘さを楽しんでください。がんばっているお母さんにも滋養が必要です。

砂糖水の作り方は、白湯を100ccに砂糖を小さじ1杯ぐらい(5グラム)を溶かします。グラニュー糖のスティックシュガー、5グラムのものを置いておくと便利です。大人がなめたら、ほんのりと甘く感じる程度で、一度に大量に与えず、様子を見ながらあげてください。ほ乳瓶であげる場合、一度赤ちゃんが口をつけたら残っていても必ず処分してください。

 

唾液が混ざると痛みやすくなるので、作り置きは清潔な容器で冷蔵庫に入れましょう。もちろん、冷蔵庫に入れても何日も置くのはいけません。人肌の温度になるように、電子レンジで暖めてから赤ちゃんに与えてください。与え方は、ほ乳瓶で与えても、スプーンで与えてもどちらでもかまいません。

 

ただ、与えすぎはいけません。逆に下痢になってしまうこともあります。母乳やミルクしか飲んでいない赤ちゃんが、いくら便秘ぎみだからとはいえ毎日のように砂糖水を飲んでいたら、甘いものにすっかり順応してしまって、母乳やミルクを飲まなくなってしまいます。食事前に飲ませてしまうと、甘いものはお腹にもたれますから、 食欲がなくなってしまいます。

 

赤ちゃんはまだ味の体験が浅いので、ちょっとの味でもはっきりと感じることができます。このころから濃い味を覚えてしまったり、過度に甘いものを摂取したりすると、成長して好き嫌いが多い子にになりやすいばかりではなく、大人になったときに病気になりやすい体質になりかねません。あくまで便秘の時の奥の手として、ほかの処方で便が出なかったときだけ、赤ちゃんに砂糖水をあげてください。

もちろん、おならだけでは大問題です。おならとはそのほとんどが、食べたときに食べ物と一緒に飲み込んでしまった空気です。離乳食前の赤ちゃんに当てはめると、授乳の時に飲み込んでいるわけですから、ゲップが不十分でもおならが出るのです。

 

おならは我慢すると体に悪いものです。そして、誰でも空気を飲み込んでいるわけですから、おならが出ることそのものは何の問題でもありません。ただ、悪臭のあるおならが出ているとき、それは便秘のサインといえます。

 

赤ちゃんがだんだん大きくなると、飲み込んだ食べ物の消化が進み体内に食べ物の留まる時間も長くなってきます。腸の中にうんちが留まる時間が長いと水分の吸収が進むとともに、悪玉菌の働きで腐敗が進み有毒なガスが発生して、それがおならとともに排出されて悪臭がするのです。

 

大人でもおならをすると、臭いが強いときと弱いときがあるでしょう。赤ちゃんも同じで、臭いの強いおならが出たときは悪玉菌が増えて腸内環境が崩れていることが考えられます。便秘になりつつある、または便秘が始まった状態ですから早めにケアしましょう。うんちを出してあげるとともに、整腸作用のある食べ物(りんごやヨーグルト、オリゴ糖など)を食事に取り入れましょう。

 

便秘になってしまったときとは別に、赤ちゃんはうまくゲップができなくてお腹が張ってしまうことがあります。そういったときは、「の」の字マッサージや軽く肛門を刺激して、ガスを抜いてあげてください。お腹が柔らかくなって、赤ちゃんが気持ちよさそうになるでしょう。

生後1年までは、市販の便秘薬の使用は避けてください。誕生したばかりの赤ちゃんは体格の個人差が大きい上に、少しの刺激でもダメージが大きいものです。お母さんとはいえ、赤ちゃんの症状を正確に把握するのはとても難しいといえます。

 

大人のように、年齢や月齢で単純にはくくれません。たとえば大人は多少水分を取らなくても、すぐに脱水症状になったりはしませんが、赤ちゃんが脱水症状になるのにさほどの時間は必要ありません。こまめに水分補給をしなければ、夏の暑さの中ではあっという間です。

 

薬は体に刺激を与えるものですから、それぞれの赤ちゃんのそれぞれの症状に、どんな薬をどのくらい与えるべきかは、やはりお医者さんに判断してもらうほうがいいでしょう。また、便秘薬といっても、食品に近い整腸剤や浣腸、口から飲む下剤があります。整腸剤については比較的安心して与えられるものです。間違って飲みすぎてしまっても、赤ちゃんの体にダメージを与えることがあまりありません。

 

浣腸は管を肛門に入れるコツをつかんで濃さと量を間違えなければ、お母さんが自宅で行っても問題ないでしょう。これらは比較的早い時期から市販の薬を利用しやすいといえます。けれど、口から飲む下剤は市販のものより病院で処方してもらったほうが安心です。

 

市販の便秘薬は、赤ちゃんの体にもダメージがないように研究されて作られています。怖いのは、市販の薬そのものというよりは、市販の薬を使用することで病院にいかずに、深刻な病気を見逃してしまうことです。赤ちゃんの体は、待ったが利きません。不安があるときは受診をお勧めします。赤ちゃんの症状に対してお母さんが「大丈夫」と自信を持てるようになったら、市販のお薬もそろそろ使える時といえるのかも知れません。